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追悼 テモテさん特集4

2022年9月9日

追悼 テモテさん特集4

写真 湖畔で洗礼を受けた直後の4男ジェレマイヤ君(当時15歳)とドルカスさんと共に(猪苗代湖にて 2019年8月)

 

第四報 NL176号(2019年9月号)より

 

テモテさんと医師との対話より -いのちと神様の不思議

 

 骨髄のガンで闘病しているテモテ・ ブローマンさんに、丸森の伝道者の皆さんらが参加する猪苗代湖キャンプで3ケ月ぶりに再会できまし た。7月に発熱し、血液検査の数値が悪化し、抗 がん剤治療を中断していたところまで聞いていましたが、その後、今回も回復し、臨床研究中の薬による11回目の抗がん剤治療を再開できる状態になったとのことでした。左大腿骨に腫瘍が見つかり、放射線治療が必要ながらも、腫瘍が1ケ所に限られ、10 年、20 年と生きる可能性も見えてきているそうで、医学的には不思議と言える良き状況とのことです。「(テモテ)チア・コンベンションや夏の伝道には行けなかったけど…」ということですが、顔色も良く、いつものテモテさんらしい様子でした。

 

 テモテさんは、発病して7年目となる中で、複数の医療チームから何度か末期と診断されなが ら、奇蹟の回復を繰り返していました。当時の状況については、これまでチアの皆さんにも祈りの課題としてお伝えした通りです。今回も、テモテさんからのお話でずいぶん励まされました。

 

 まずは、出会う医療関係者の皆さんから多くの好意を得ていること。ダニエル書1章9節「神は宦官の長に、ダニエルを愛しいつくしむ心を与えられた」とある通りだなと思ったそうです。上記の通り、テモテさんは7年間にわたり、抗がん剤治療を受けていますが、既に、効果のある抗がん剤は無くなってきているとのことです。そうした中で臨床研究中の抗がん剤が用いられることとなり、一定の効果を示しています。

 

 「(テモテ)その薬は高額ですが、低所得者の私は保険に助けられています。もちろん、保険の審査も厳しく、友人(クリスチャン)の B 医師によ ると、6 クール(半年分)のセットです。それを11ヵ月も用いることができているのは、大きな恵みと言えます。B 医師によると、こうした背後で、担当医のA医師がこの最新の薬に最前線で取り組み、忙しい中、審査会への書類提出等、様々な尽力をしてくださっているそうです」。神様の恵みとあわれみの御手があり、 また、A 医師にも、テモテさんを「愛しいつくしむ心」(ダニエル1: 9)が与えられているのだと思いました。

 

 「(テモテ)神様は、日米からいろんな医療関係者の皆さん、臨床研究中の薬ほか備えてくれま した。こうした医療チームや薬にも感謝です。何より、すべてを神様が支配しておられる、そのことを思わざるをえません。たとえ元気であっても、明日の命はわからないのだし。1日1日が奇蹟だと思っています。先日も治療してもらった後、妻と車で帰宅途中、危うく交通事故に遭うところでしたが、免れることもできました。1秒単位で神様の御計画を思わずにはいられません」

 

 私自身、その通りだなと思いました。このような一瞬のことで守られる体験、まだ使命があるから生かされているのだなと思わされる体験、そして、これからのために悔い改め、反省すべき、注意すべき点、祈るべき点等、示されることの多い日々です。

 

 テモテさんの言う「神様がすべてをつかさどっている。1日1日が奇蹟で生かされているので、 神様のみことばに従順に歩み、使命をまっとうしたい」との言葉が、心に染み入りました。 神が授けた尊い永遠のいのちのために一生懸命、 使命を果たすことも改めて教えられました。

 

 「(テモテ)多発性骨髄腫の治療において、日本で一番骨髄移植手術の成功数が多い女医のC 医師に手術をしてもらう恵みにもあずかりました。彼女になかなか福音を語るチャンスがなかったのですが、3 ケ月経ってチャンスが来ました。休みの日に私服で私の部屋を見舞ってくれたのです。そこで私は『先生のお時間があるときに聞きたいことがあります』と聞いたら、『今いいですよ』と言われ、質問をしました。

 

 『先生は、骨髄のがんの治療をしてくださっていますが、完治するものではなく、延命措置をしているだけとも言えます。この仕事をなぜ、何のために、選んだのですか?』。C医師は、にこにこしながら真摯に考え、身を乗り出してくださいましたが、返答がありませんで した。『今の質問の答えは、聖書に書かれてあるのですよ』と私は言って、棚に彼女のために置いてあった聖書を取り出しました。

 

 ルカの福音書を開き、『医師であったルカが、 様々な調査に基づいて書いた報告書です。神は人間を神の似姿に創造し、尊いいのちを吹き込み、永遠の霊を与え、愛されました。しかし、人間は自己中心であり、罪を犯し、その罪の報いとして永遠の地獄の苦しみが待っています。でも、神は人間一人ひとりを愛し、キリストの命を身代わりにして十字架で罰し、キリストの死を通して人間の罪を赦しました。3日目に復活したキリストは、信じる者に永遠のいのちを与えます。C先生は、 この神から与えられた尊いいのちを大切にする働きを、日夜、奮闘され、努力され、今日も休みの日なのに、こうして患者一人ひとりを見舞ってくださいました。すべての人間は、本来、神に与えられた『いのち』を大切にするように心に書かれているのです。医師ルカの調査に基づく、神の愛と赦し、キリストの十字架の死と復活によってもたらされる永遠のいのちの尊さを考え、キリストの愛と赦しの福音を信じてくださったらうれしいです』と聖書を手渡しました。いつもあんなに忙しいC先生ですが、40分ほど話を聞いてくださり、 聖書を丁寧に受け取ってくれました。とても嬉しかったです」とのことでした。