「聖書が教える恋愛講座」 書評の紹介


▼ クリスチャン新聞
2005年6月19日号掲載

『聖書が教える恋愛講座』
 ジョシュア・ハリス著
 (ホームスクーリングビジョン、1680円=税込)

 原題の『I KISSED DATING GOODBYE』は、「デートに別れを告げた」という意味らしい。アメリカのデート文化に育った著者が「デートをやめる決心」をし「何のために親密な恋愛関係に入っていくか?」と問い、互いに対する献身という「結婚の備えができるまでは恋愛関係に入るのを待つ」のが賢明と言う。その理由もしっかりとした内容でうなずける。
 デートと恋愛を当たり前のこととしていたころ、情欲と不純で自己中心的な思いに満ちていた現実を率直に告白する誠実さにも好感がもてる。
 「つきあうこと自体は必ずしも悪ではないが、いま僕たちが知っている『恋愛』というシステムは、自己中心と不道徳を称賛する文化から生み出されたもの」と注意を促し、多くのクリスチャンの男女が性的関係、あるいは一線は超えないまでも肉体的接触へと深入りしてしまう実例を挙げ、その危うさも具体的に示す。「僕らクリスチャンも、この国の文化が持つ自己中心的な考え方を取り入れているのだ。もちろん…僕らはある歯止めをもって考えてはいる。だが、…同じ道の数歩後ろにいるというだけ」と指摘する。
 結婚前に性的関係に入りさえしなければ良い、という問題ではなく、「恋愛関係にはいらなくても、以前よりずっと女性を愛せるように」、そして「神から教わった真実な愛し方で」「十字架に示された神の愛によって、異性を愛することができるように」と真剣に求めている著者の思いを随所に垣間見ることができる。
 「恋愛反対論者」と冷やかされ、ハリウッド・スターと共にトーク番組に出演したエピソードもあり、一般メディアも取り扱うほどアメリカで注目されたらしい。
 KGK(キリスト者学生会)の働きで青年男女にかかわる者として、恋愛至上主義や快楽主義に翻弄されやすい現実にある彼らに、ぜひ読んでもらいたい! また年ごろの娘をもつ親にも、その娘にもぜひ読んでもらいたい、と思う1冊!
高木実=キリスト者学生会/KGK関西地区主事
▼ リバイバル新聞 書評「新刊を視る」
2005年5月1日号掲載

 多くの時間を若者と過ごしているが、こと恋愛・結婚・性について語り合うまでには時間がかかることがある。彼らの多くはクリスチャンホームで育っているが、恋愛・結婚・性について干渉されたくないと考える方が多いようだ。一番の理由は、聖書的に教えられる機会が少ないことと、この世的な価値観が心の中に入り込み、現状に危機感がないことが挙げられる。しかし、じっくりと話を進めると、多くが心を開き、聖書の価値観というさらに優れた道を求めるようになる。彼らの最大の関心事でもあるからだ。
 また、ある者はこうした話を聞くと、心を閉ざしてしまう。神の御心について教えられてはいるが、その基準に納得できなかったり、自分は基準から漏れてしまったと考えていたりする場合があるからだ。
 私は、早いうちから正しく教える必要を感じるのだが、「婚前交渉は駄目」とか「クリスチャンとだけ付き合う」と単に規律的に教えるのではなく、「真の愛は相手の最善を願う」という価値観を共有できるように教えることが肝心だと考える。
 この「聖書が教える恋愛講座」は、10代、20代だけでなく、結婚を祈っている独身のクリスチャンにとっても、非常に重要なレッスンとなるだろう。恋愛を取り扱った本だが、むしろ「何が神の御心か」に読者の焦点を向けさせ、「何が神の最善か」という核心に導く。既婚者にも有益だし、ユースリーダーにもお薦めしたい。
 この手の本で求められることは、愛と恋愛の違いを聖書的に分かりやすく教えることと、さらに優れた道があることを示すことである。著者が自分自身を曝(さら)け出し「弱さ、罪、恥」を赤裸々に綴っていることが、読者の共感を呼び、核心へと導き勇気付ける。もし規律的に教えるのなら、「自制心だけでなんとかなる」という危険に追い込むことにもなり得る。この書は、どのように正しい関係を新しく建て上げるのかを明確にしながら、その先にある神の御心をまず第一に求めることの重要性を教えている。
(東京バイブルチャーチ主任牧師 福田誠)