召命の成就の道へ

稲葉 寛夫



召命と永遠の救いの計画

ー ひるまず神殿のパリサイ人らに向かったイエス様にならう ー

 カペナウムで水をぶどう酒に変え、最初の奇蹟を行ったイエス様は、その足でエルサレム、そして神殿へと向かいました。当時のエルサレムは、霊的にも道徳的にも退廃し、「やみが地をおおい、暗やみが諸国の民をおおっている。(イザヤ60:2)」状況でした。
 イエス様はその道を「心を痛められ」(創世記6: 7)ながら、神殿に上り、義憤し、「細なわでむちを作って、羊も牛もみな、宮から 追い出し、両替人の金を散らし、その台を倒しました。」「わたしの父の家を商売の家としてはならない。」(ヨハネ2:1516)当時、神に最も近いとされ、権力の中枢にいたパリサイ人の偽善と高慢と退廃、罪の本質に真っ向うから、立ち向 かったわけです。その結果、大きな摩擦と憎しみと迫害を生みました。最後には、パリサイ人たちが イエス様の命を十字架に かけるほどに。
 しかし、「本物」は徐々に感動を生み、伝わっていきました。「イエスが死人の中からよみがえられたとき、弟子たちは…聖書とイエスが言われたことばとを信じた。」(ヨハネ222)、そして「多くの人々が、イエスの行われ たしるしを見て、御名を信じた。」(ヨハネ223
 ヨハネ2章の勝利は、その序章であり、勝利はその後、世界へ、私たちのもとへと拡がってきました。

召命の成就の道へ
ー あきらめなかったネヘミヤ ー 

 召命。
 創造主が自分に定めたミッション(使命)を果たす、預言者ネヘミヤは、その思いの元に、占領下のエルサレムからの使者のことばに耳を傾けます。「捕囚からのがれて生き残った者たちは、非常に困難の中にあり、またそしりを受けています。そのうえ、エルサレムの城壁はくずされ、その門は火で焼き払われています。」(ネヘミヤ13)ネヘミヤは、泣き、数日間、喪に服し、断食して天の神に祈ります。彼は、あきらめませんでした。神の子どもたちの救いを祈り、求めることを。 
 私たちは何者でしょうか。「神は、この世の愚かな者を選び、強い者をはずかしめるために、この世の弱い者を選ばれたのです。…しかし、あなたがたは、神によってキリスト・イエスの内にあるのです。(1コリ126-30)そして、われ等に「キリストの使節」(2コリ520)として、委ねられた使命があります。「あなたを救い出し、彼らのところに遣わす。それは、彼らの目を開いて、暗やみから光に、サタンの支配から神に立ち返らせ、わたしを信じる信仰によって、彼らに罪の赦しを得させ、御国を受け継がせるためである。」(使徒2616-18
 王の献酌官であったネヘミヤは、立ち上がり、主の時を確信し、召命の成就の道へと踏み出します。愛する皆さん、主の用意された召し、その成就の人生に向かっていこうではありませんか。
 私たちの召命は皆、創造主の永遠の救いの計画と関連しているのです。ネヘミヤは与えられたミッション、エルサレムの神殿の再建とイスラエルの民の救済へと用いられるのです。

弟子の心を与えてください
ー タイ・南アジア ー 

 1月、大阪と東京でのセミナー、祈祷会を終えて、私は、タイと南アジアの国へと向かいました。ハリウッドで制作準備中の映画「新ジーザス」プロジェクトが進み、台本がほぼ完成に近づき、アジアのミッション地の人々に意見を聞くためです。その地で、昨年、取材した啓明宮城小OBの皆さんら、伝道者の皆さんとの再会が許されました。
 伝道生活に入り、タイ伝道で30年あまりすごす、稲宮さん。30数年前、日本で伝道者たちと出会い、「キリストのためにあなたは命を捨てる気がありますか。」と問われました。その時、稲宮さんは「これは本物だ!」と目が開かれたといいます。
 ポールブローマン先生の長男、義久さんは、伝道地用の聖書の翻訳プロジェクトなどの責任者。中学生の夏、海岸での出来事が今も力になっています。その日、ブローマン先生がマイクを握り、路傍伝道し、「…ご静聴ありがとうございました。」と閉じると、集まった人々は拍手しました。そして暑い中、パンフレット配りが始まりました。「なぜ父は、あまり楽しいとは思えない、伝道を一生懸命、続けているのだろう。」と、義久さんは思いました。その心に響いた、啓明小学校の教師の、「弟子のこころ。キリストの弟子のこころを持てるように祈りなさい。」とのことば。「あ、そうか。父も母も現在、キリストの弟子の心と希望をもらって、主の命令に応じているんだ。それで祈り始めました。私にも、弟子の心をくださいと。」
 今年60代後半に入った長谷部さんは、南アジアの国々での伝道30年、「若いときは年をとったらさびしくなるだろうと思ったが、ますます楽しい。白髪になったことを忘れて、若い人より早く歩いて伝道してます。」と、希望と喜びに満ち溢れていました。啓明南アジア校を卒業した青木恵子さん「こんなに伝道が楽しくて…。仕事をしながら、(経済的に)私たちを支えてくれている人々に、とても申し訳なくも思う。」と、直接伝道を支える形で、主のために労している兄弟姉妹を思いやりました。

 

しもべに幸いを見せてくださる道へ 
ー 小さな一歩から ー 

 こうしたチャレンジを受けながら、召された道をまっしぐら、と思いますが、残念ながら私自身、今だもって間違いが多く、悔い改めに導かれます。でも主は励ましと希望をもくださいます。去年の12月から、イエスの福音を近所に配達する働きを真祈史(11才)やエミリ(6才)と一緒に行う恵みに預かりました。最初は真祈史と約2ヶ月。そのうち、エミリが「私もやりたい!」と加わってくれました。また出張のため子どもたちと離れていることが多いこともあり、今年は真祈史と一緒に、一日、旧新約合計4章、同じ箇所で聖書通読を行うことにも、導かれました。ホームスクーリング4年目で初めての試みです。真祈史が張り切って行い、まもなく3ケ月めに入ります。最近、和紀子が言いました。「今、学力テスト受けたら、ちょっと点数、低いかもね。」「いいんじゃないかー。こんなに喜んで聖書を読んで、主とみんなを愛してるから。」「優しいしね。」「そう。読み書きと計算できてるし十分だよ。ピアノや野球も好きだし。和紀ちゃんは、素晴らしいホームスクーリングしてるよ。」
 6才になったエミリ。この3年、いわゆる「勉強」はほとんど無し。真祈史が勉強中は、横で絵を書いているか、映画のビデオを見ているかでした。教えてきたことは、イエスさまのこと、ことの善悪、うそをつかないこと、野球や水泳、工作といったこと。でも最近、和紀子のリードで、俄然、文字を覚え出しました。前述の聖書のパンフレット配りは、「面白い!みんなにつたえなきゃ!」と張り切ります。そして誰よりも野球が好きで、念願のちびっこのクラブに入りました。工作クラブもあるので大忙し。最近、カナリヤも与えられて、自分の肩にいつも乗せています。

 主の召しに従うと、主は「しもべに幸いを見せ、この人の前にあわれみを受けさせてくださいます。」(ネヘミヤ111

  聖霊の力によって「模範」となってイエスは、真理に立ち、パリサイ人も、何者も恐れず、主を恐れて歩む模範を示して くれました。そして実行する力、御霊を与えてくれました。「わが子よ。あなたの父の命令を守れ。あなたの母の教えを捨てるな。」(箴言6:20)聖霊の力を持って、まず、私たち親が、教師が、クリスチャンが「模範」となって、主の弟子となって、この主を恐れ、愛し、証ししていく、「いのちの教え」を教えていこうではありませんか。まわりの流れがどうであれ、「心を尽くし、精神を尽くし、力を尽くして、あなたの神、主を愛しなさい。…これをあなたの子どもたちによく教え込みなさい。」(申命記6:5-7)という主の命令に従い、聖霊の知恵を求め、御霊の力をもってして、応答していこうではありませんか。「わたしには、天においても、地においても、いっさいの権威が与えられています。それゆえ、あなたがたは行って、あらゆ る国の人々を弟子としなさい。」(マタイ281819)主の祝福が、命をかけて主の弟子の道を歩もうという、みなさんの上に特別に注がれていることを覚えます。聖書の約束は続きます。「目を上げて、あたりを見よ。彼らはみな集まって、あなたの息子たちは遠くから来、娘たちはわきに抱かれてくる。そのとき、あなたはこれを見て晴れやかになり、心は震えて喜ぶ。…わたしは、わたしの美しい家を輝かす。」 (イザヤ604-7)  ◇